患者さんが歯科医院に受診されるには、さまざまな理由があると思います。これを主訴(しゅそ)と呼びますが、歯が痛い、歯ぐきが腫れた、歯と歯の間に食べ物がつまるなど、主訴の症状の原因をさぐり、痛みや不快感の除去や軽減をはかる治療を、初診時には優先して行います。

衛生的とはお口の中に好ましくない組織反応を起こす要素が存在しない状態のことをいいます。むし歯や歯周病の原因になる細菌群のすみかである、う窩(むし歯による穴)の充填や歯石・バイオフィルムを除去することで、また、長期的にはそれぞれの方に適した方法でメインテナンスを継続することで、口腔衛生の確立と維持をはかっていきます。

予防・メインテナンスについて

お口の健康状態がいつも良好であるためには、歯周組織（歯を支える歯肉や歯槽骨）の細菌に対する抵抗力を高めることが必要です。見た目には健康でも、歯肉がうすく脆弱であったり、歯の周囲の骨が溶けて深い歯周ポケットがみられる場合には、長期的には大きなトラブルを起こす可能性があります。それを改善するために必要があれば、先進的な歯周病治療（歯周外科治療・歯周再生治療）にも積極的に対応していきます。

歯周病治療について

咬合(かみ合わせ)のバランスを確立することは、歯科治療のなかでも大切な要素です。咬合において好ましい力とは、歯を支えている骨に対し垂直方向にかかる力です。歯ならびが悪かったり、むし歯や歯周病が原因で、歯の位置がおかしくなっていると、上下の歯でしっかりかむことができず、長期的にトラブルが起きる可能性があります。そのためには部分的に矯正治療を行ったり、仮歯により咬合のバランスをさぐりながら、生理的に安定した口腔環境を確立していきます。

限局矯正治療について